揺れ日記

熊本地震で被災。行政からも何の支援も無く一人で自費で県外避難転居しました。

出来なくなってしまったこと

転居先で通勤途中、目の前を歩く女性は当たり前のようにヒールのある靴を履いている。

いいな、と思うけれど私はもう履けない。

似合わないとか脚が痛くなるから、ではない。

 

何度か必要に迫られ、そう高くないヒールの靴を履かねばならなかったけれど、熊本じゃないのにバクバクしてしまってダメだった。

スカートも、身につける時は緊張した1日になる。だから靴だけは歩きやすいものにしている。

 

元々肌が弱いので濃い化粧は出来ないけれど、地震後の酷い湿疹や肌荒れもあって未だに

無添加日焼け止めしか塗れない。

あの時は顔が洗う事すら出来ないのが続いて、除菌ウエットティッシュで顔を拭いていたという経験が化粧らしい化粧が出来なくなった理由の一つだ。

 

地震からこういう風になってしまったのは、

私だけではないらしく、結構いるみたいだ。

 

あの割れた地のように、崩れた建物のように、女性の楽しみ、というかそういったものが

一瞬にして崩れ削り取られた気がする。

 

ずっと地震の事が離れなくて、起きていても

やっとの思いで寝ても夢に出るから本当に

ずっとずっと離れないのだ。

 

 

せめてもと、たまにデパートの化粧品売り場をうろちょろしてキラキラしてカラフルで様々な

化粧品たちを眺めたり、ネイルサロンで爪磨きだけをしてもらったりする。

指先の手入れだけだけでもしぼんだ気分が随分変わるからおすすめする。

 

ファンデーションやマスカラなども転居の際に全て処分した。

ヒールのある靴はリサイクルショップに送った。

もう今後、よっぽどの事がない限り

きちんとメイクはしないだろう。

ハイヒールも履かないだろう。

 

「まだ地震引きずってる」

と思うひともいるだろう。

でも、それだけ深く深く、刻まれてしまったのだ。