揺れ日記

熊本地震で被災。行政からも何の支援も無く一人で自費で県外避難転居しました。

4月16日、本震

ドーン!!と物凄い、聞いたことがない音、

経験したことの無い

突き上げる揺れで体が浮く。

食器や様々なものが割れ落ちる音、ミシミシバキバキグキグキと不気味な音、音、揺れ、揺れ、揺れ。ギィギィと音と埃を立ててあっと言う間に壁や天井に亀裂が入る。

バリバリバリバリ

ミシミシミシ

ギギギ

ガシャーン

ドン

一斉に様々な物や建物が割れたり崩れたりする音。激しい揺れ。

怖くて吐きそうになるのをこらえる。

 

木曜日の揺れより明らかに大きい揺れが襲う。

「このマンションつぶれて死ぬかも」と思いながら咄嗟に携帯をつかみどうにか玄関に逃げる。
揺れで立っていられないから這って玄関にたどり着く。いつもなら数歩で行ける狭い狭いワンルームの玄関が遠い。
 
怖い、怖い、怖い、揺れおさまれお願いだから、お願いお願いもう揺れないで
と叫んでいた。
電気がふっと消えて闇となる。まだ揺れている。ドン!という音が不気味で仕方ない。
懐中電灯を探そうと携帯のアプリ「懐中電灯」を起動する。ぶつけたのか左手が痛い。
 
暗闇でわからないけれども、部屋は相当ぐちゃぐちゃになっており、高さのある本棚が倒れ、何もかも割れたりして破片だらけだ。
冷蔵庫はドアが開いてて、中のものが床に散乱していた。
送電は止まったが、とりあえず散乱した食料をガタガタ震えながら冷蔵庫に戻す。
こんな状況、初めてだ。
寝ていたら下敷きになって大怪我か死んでいたな、とぼんやり考えながらスリッパを履き上に羽織るものを探す。
 
ピー、という耳鳴りが止まなくて
頭痛が酷くて
悪夢の中にいるようだ。
 
 落ちてきたものに滑るし揺れるし、なかなか進めない。最悪だ。
バリバリ、割れた何かを踏む音、体に何かぶつかる鈍い痛み、何回か往復して羽織るものや懐中電灯やバッグを見つける。
そのとき大事にしている写真が、割れずに奇跡的に何事も無く無事でいたのを見つけ、思わずわんわん泣いてしまう。
 
外に出ると歩道に出てきて不安そうな表情を浮かべる人々。一人暮らしが少ない地域なので
家族単位でかたまっている。
 
我が住まいのマンションからは誰も出てこない。私一人で歩道にうずくまる。寒い。
ひどい揺れがあり立っていられないからだ。
アスファルトの道路が波打ち割れ、歩道は割れて盛り上がっていく様が見える。テレビや映画でしか見たことないものが目の前で起こっている。
信号も停電していて、あちこちから来た人たちや警官が手信号で車をさばいている。
怒号も聞こえてくる。
これは現実?悪い夢であってほしい。
 
マンションの真横が電柱で、歩道に倒れてこないか不安になりながら、この後どうしたらいいか考えていた。
 
後で分かった事だが、私以外の住人は木曜日の地震で皆友人や家族宅に避難していてマンションには私一人しかいなかった。
 
酷い揺れが何度も来るし寒いし、確か昨日の地震の時に公民館が避難所になったって聞いたから行ってみる事にする。
 
職場に行った方がいいかも、とも思ったが、
暗いし途中の道のりが怖い。途中、民家が多い場所もある。何が落ちてくるか何が倒れてくるか分からない。
余震が続いていて歩道も割れたり崩れたりで段差が生じている。手も怪我してるし明るくなるまではあまり動かない方がいい。
 
近くの公民館までなら、と試しに歩いてみる。
暗い中歩いていると割れた歩道、街灯、様々な破片や倒れた塀で足元が危うい。
どこからか擁壁か瓦が何かが崩れる音が聞こえてくる。
いつもなら5分で行けるのを揺れが来るし、そろそろ歩いたり止まったりしていたので15分かけてやっと到着。
 
公民館は既にたくさんの人。長椅子が空いていたのでそこに座る。断続的にミシミシギシギシ揺れは続く。誰かのラジオから「震源地は阿蘇…」と聞こえてくる。
これは現実なんだろうけども、目の前で起こることが受け止められない。
左手が捻挫したのか腫れ出し痛い。
鞄に入れてきたペットボトルのお茶で冷やす。
 
トイレ、と思って入ると断水のせいで流されておらず既に物凄い状況になっている。
眠れないが、固い長椅子に座ったまま少し目を閉じる。
うとうとしかけたときにまた突き上げるような揺れ、揺れ、揺れ。ガラス窓が割れそうだ。
 
どのくらい時間がたったのか分からないが「水道局の給水車が来ています、1世帯1袋で全てには行き渡りませんがどうぞ」という掛け声に皆走る。まだ暗い中、寒さに震え皆、外に行列。
 
短気な人が多い土地なのに、誰も何も言わない。
 
運良く私は水が貰えた。水道局の職員も家族がいて心配だろうに寒空の中、皆のために袋に水を注いでいる。
 
また少しうとうとして明るくなったところで帰宅。まだこの時は電気も水も使えていた。
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